DeNAが今秋のドラフト上位候補として九州産業大・浜田智博投手(4年=宮崎工)をリストアップしていることが22日、分かった。チームの補強ポイントは即戦力投手で、さらに左腕に重点を置く。17日に行われたスカウト会議では80人まで絞った。高田繁GM(69)は「(左投手は)どのチームもほしい」と話すにとどめたが、すでに山下大輔GM補佐(62)、吉田孝司編成・スカウト部長(68)が九州まで足を運び視察するなど、精力的な調査を進めている。

 今季先発陣は安定しているが、先発ローテーションに左腕は1人もいない。新加入した尚成は移籍初勝利が遠く、現在は2軍。昨季開幕投手を務めた藤井も1軍登板がない。若手左腕も伸び悩んでいることから、即戦力左腕を中心に指名することが濃厚だ。

 ドラフト1位候補には右腕の早大・有原航平投手(4年=広陵)法大・石田健大投手(4年=広島工)明大・山崎福也選手(4年=日大三)の両左腕をリストアップ。ただ、今秋はいずれも精彩を欠く投球が続いており、浜田を1位で指名する可能性もでてきた。

 浜田は今春の全日本選手権でチームを15年ぶりの8強に導く原動力となった。変則左腕ながら最速144キロをマーク。7月に行われたハーレム国際大会の大学日本代表にも選ばれた。3年秋には九州共立大で現広島の大瀬良と投げ合い、勝利投手となった。順調に実力を付け、頭角を現した左腕に注目が集まっている。

 ◆浜田智博(はまだ・ともひろ)1992年(平4)10月1日、宮崎県生まれ。宮崎工3年春のセンバツに出場し、前橋工に2安打完封勝利。2回戦で広陵・有原(現早大)と投げ合いサヨナラ負け。九産大進学後は1年春から登板。昨秋はリーグ最多タイの4勝を挙げ、4季ぶりのリーグ優勝に貢献。183センチ、70キロ。左投げ左打ち。