仕事人ぶり、見てください!

 沖縄・宜野座キャンプに初参加の阪神北條史也内野手(20)が第2クールを終えて心境を語った。光星学院(現八戸学院光星=青森)では甲子園で4本塁打。それでもプロ3年目の今、華やかな姿に未練はない。今日11日の日本ハムとの練習試合(名護)に「9番遊撃」で先発予定。仕事人として開幕1軍を狙っている。

 キャンプの風物詩といえば打撃練習での柵越えだ。江越が140メートル弾、陽川が柵越え連発…。そんな若虎の陰で北條はじっくりと牙を研いできた。高校時代は甲子園で2打席連続のバックスクリーン弾を披露。周囲にはその残像が色濃いが、そんな視線を気にするそぶりはない。

 北條

 もういいんです。周りから見れば野球自体は一緒ですけれど、プロは次元が違う。ホームランバッターは外国人か日本人でも体がでかい人。「この体で打てるか!」って逆に思います。(今の姿を)周りに何か言われてたとしても、なんとも思わない。

 プロ1年目で決断した。2年目だった昨季は掛布DCとフォームを見直した。2軍では102試合に出場してたったの2本塁打。それでも昨季終盤、初の1軍昇格を経験した(出場はなし)。11月に台湾で行われた21Uワールド杯に代表として参加し、ベストナインを獲得。長打を捨て、地道に守備、バントなどを磨いた。今回のキャンプではレベルアップへ、鳥谷への密着を続けている。

 北條

 これまでの鳥谷さんはテレビで見ていて「エラー全然しないなあ」という感覚。それが近くで見たら、バウンドが合ってなくて僕が「エラーする」と思っても簡単にアウトにするんです。とにかくすごい。

 守備練習の際、遊撃に就くのはいつもこの2人。先日の特守では鳥谷発信でアドバイスをもらった。

 北條

 センターに抜けるところの追い方ですね。動きだしが遅いので、パパパッとボールに行かないと。そうすれば捕るときにボールを見る時間を長くなって、バウンドが変わっても対応できるという話です。

 球界一の遊撃手から学べる幸せ。練習環境も2軍とはまるで違う。だからこそ強く思うことがある。

 北條

 2軍に落ちたくないです。向こうでは若いし、整備したりネットを運んだりいろいろな仕事がある。でもこっちは裏方さんが手伝いをしてくださる。本当に野球に集中できるんです。

 仕事をサボりたいわけではない。今年こそはという素直な気持ちの表れだ。今日11日の対外試合、そして第3クールでいよいよサバイバルが本格化する。

 北條

 とにかくいい仕事をしたい。守備、バント、エンドラン…。1軍の試合でランナー二塁。進塁打のサインが出て、セカンドゴロを打てたらそれで100点満点なんです。

 今日の日本ハム戦は9番遊撃で先発予定。いきなり腕の見せどころだ。【松本航】