<東都大学野球:国学院大9-1専大>◇第2週最終日◇18日◇神宮

 今秋ドラフト上位候補の国学院大・杉浦稔大投手(4年=帯広大谷)が、6安打8奪三振完投で、昨秋から5試合連続完投を決めた。1勝1敗で迎えた専大戦に先発し、最速146キロをマーク。1回戦の3安打完封に続き、9-1で勝利し、勝ち点1とした。

 ネット裏のスカウト陣の間で、最近「都市伝説」のように語られることが増えてきた。「国学院大の選手は、プロに入って活躍する」。近年では楽天嶋、聖沢、巨人高木京ら。大学時代は最上位評価を受けていなかったが、プロ入り後の活躍は目覚ましい。

 そして今年は杉浦。「身近な先輩がプロに行ってやっているので刺激になります」と言う。188センチ、82キロの体からコーナーを突く。この日最速は146キロ。広島苑田スカウト統括部長は「球持ちがいいから、バッターはタイミングが取りづらい。1位候補になりますね」と高く評価した。

 杉浦は5人兄妹の長男で、母真美子さんはソフトボール投手として国体3位の実績。地元北海道では中学時代、アイスホッケーもしていた。全国的には無名だった右腕が、頼もしい先輩たちの仲間入りをしようとしている。【前田祐輔】

 ◆杉浦稔大(すぎうら・としひろ)1992年(平4)2月25日、北海道帯広市生まれ。小3から啓西広陽マリナーズで投手として野球を始める。帯広大谷では3年夏の北北海道大会準優勝。遠投100メートル、50メートル6秒4。家族は両親、姉、弟2人、妹。右投げ右打ち。東都リーグ通算6勝2敗。