<仙台6大学野球:東北福祉大12-0東北大>◇第2節最終日◇7日◇東北福祉大野球場

 東北福祉大の1年生4番寺田和史外野手(聖望学園)が、コールド勝ちを呼び込む2点打を放った。DHで今季初めてスタメン出場し、9-0の3回裏に右前に運んだ。チームは東北大に5回コールドで大勝して勝ち点1を挙げた。

 結果が出なければすぐにスタメンを外される危機の中、寺田が2点打で存在感を示した。9点リードの3回裏2死二、三塁。「試合に使ってもらえた。1本出したかった」。左打席からライナーで右前へ運んだ。10点差以上で5回コールド勝ちになる。1年生4番が東北福祉大に“最速勝利”をもたらした。

 聖望学園で通算25本塁打を放ち、183センチ、86キロの恵まれた体格から4番候補として期待された。だが今春は不調もあって出場2試合。スタメンも1試合だけで、ベンチを外れた日もあった。同じ1年生の楠本泰史(花咲徳栄)は、中軸打者としてレギュラーに定着。「焦りもあった」と寺田。夏のオープン戦も「相手投手の配球を考えすぎて」とスイングが小さくなり、自分を見失っていた。

 開幕直前から1日約300球の特打を課して、持ち味の思い切りのいいスイングを取り戻した。山路哲生監督(48)は「これから経験をさせながらの選手だが、タイムリーが出てよかった」と評価。初回無死満塁でも、一塁ゴロで三塁走者をかえし計3打点の寺田は「チームの勝利が一番。1年生らしく思い切りいければ」と言った。DHは森本祐太(3年=東海大四)、高山良介(2年=作新学院)らが控え競争は激しいが、2季ぶりのV奪回が絶対指令の東北福祉大に、期待の1年生が息を吹き返した。【久野朗】