プロ野球ドラフト会議は29日に都内で行われる。静岡県内の高校生から今年は3人がプロ志望届を提出。その中でも注目は夏の甲子園で16強入りし、日本高校選抜にも選ばれた常葉学園橘(静岡)の庄司隼人投手(3年)だ。米国遠征で自己最速148キロを記録した右腕は「難しいことは分かっている。でも、引っかかればどの球団でも喜んで行きます。行きたいですね」と熱望した。

 これまで学校には巨人や日本ハム、広島など5球団があいさつに訪れた。ただ、野手としての評価の方が高く、投手としては意見が分かれ、指名されるかは微妙。それは当人も分かっている。それでも投手にこだわっていた当初と違い「今は『投手でなければ嫌だ』とは考えていない」と言い「ダメならダメで次を考えればいい。可能性に勝負してみたいんです」。自身で選んだ「道」を、最後まで貫く覚悟を決めた。

 9月の米国遠征から帰国後も、3年生の中でただ1人、寮に残って下級生とともに過ごしてきた。「甲子園から帰って、いろいろな人に支えられていると分かった。感謝と自覚を持ってやらないとと思った」。後輩たちの秋季県大会や東海大会にも応援に駆けつけた。今度は自分。期待と不安を胸に、運命の日を待つ。