WBCドミニカ共和国代表が、最強スラッガーの「補強」に動いていることが分かった。通算475本塁打の大砲アルバート・プホルス一塁手(33=エンゼルス)が、決勝トーナメントで母国から要請があれば、合流を検討する可能性があると、大リーグ関係者が明かした。

 看板の重量打線が、さらなるパワーアップに向けて秘策を練っている。カノ(ヤンキース)、エンカーナシオン(ブルージェイズ)、ラミレス(ドジャース)が座る中軸はただでさえ迫力満点。ここに昨季30本塁打、105打点のプホルスが加われば、初優勝の視界は一気に開ける。

 プホルスも代表入りを熱望していた。だが昨オフに右膝を手術し、1度は大リーグ機構と選手会から出場許可が下りなかった。ただリハビリ経過は順調で、この日はオープン戦で初めて走塁を解禁した。左翼線を破る一打では軽快な足取りで二塁に達するなど、全速力が可能な状況にある。「守備に就くのは早くて7日後。まだ時間が必要」と慎重な姿勢を崩さないソーシア監督を説得する必要があるが、現役最強の呼び声も高い男が、母国のために出場機会をうかがっている。