<新日本:神戸大会>◇21日◇神戸ワールド記念ホール◇8000人
全日本のIWGPヘビー級王者武藤敬司(45)が、新日本の挑戦者・真壁刀義(35)に19分16秒、月面水爆からの体固めでフォール勝ちし、3度目の防衛に成功した。極悪軍団GBHの乱入や、チェーンによる反則攻撃を受け流血する苦しい展開に耐えて逆転勝ちした。また、試合後に中邑真輔(28)が次期挑戦者に名乗りをあげると快諾。4度目の防衛戦の相手が事実上、中邑に決まった。
血まみれの天才が最後の力を振り絞る。度重なる反則攻撃に怒った武藤は、チェーンを取り上げると右足にぐるぐると巻きつけた。そして、真壁にシャイニングウィザードをさく裂させる。最後は月面水爆で締めた。
武藤
しんどいよ。ランボーになろうと思ったけど、なれかったよ。オレの流血戦はなかなか見れねーぞ。
GBHに対し「無法地帯で勝つにはランボーになればいい」と試合前に言ったが、4分すぎにバーナードら5人に、場外で攻撃を受けた。権威を認めているIWGP戦を汚されて許せなかった。レフェリーに全員を退場させた。アウェーでの完全勝利に「お客さんに火をつけることができたという自負はある」と胸を張った。
原点を思い出し戦った。武藤が一流レスラーとして認められたのは89年の米WCW参戦時。グレート・ムタに変身し全米のファンを魅了した。リック・フレアーやスティングといった米のスーパースターと連日のように対戦。時には流血戦にもなった。本人は「あの時があるから今がある」としみじみ言う。
28日にはグレート・ムタとして3冠ヘビー級王者諏訪魔へ挑戦する。試合後には中邑から挑戦状をたたきつけられた。「せっかく、勝ったんだからさ。そっとしておいてよ。でも、握手してしまったから仕方ない」。大流血戦の末、鬼になった武藤は、早くも次の戦いに目を向けていた。【奈島宏樹】


