V3防衛を狙うWBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(31=ワタナベ)がパリコレデザイナーの手掛けたセコンド着を用意し、サポートスタッフ「チーム内山」の結束感を高める。今日31日、同級4位三浦隆司(26=横浜光)とのタイトル戦(東京・有明コロシアム)に臨む内山は親交あるデザイナー田山淳朗氏(56)に依頼したポロシャツをスタッフに提供。セコンド陣と一丸となってベルトを死守する。また30日は都内で前日計量に臨み、58・9キロのリミットでクリアした。

 58・9キロのリミットで前日計量をパスした内山は静かにボルテージを上げた。大勢の報道陣に囲まれたが「相手は最強の挑戦者として認識してきた。油断はない。100%勝つ気でいる。とにかく勝ちに徹したい」と平常心を貫いた。渡辺会長をはじめ、高橋、佐々木両トレーナーらワタナベジムのサポートスタッフ「チーム内山」の面々に遠くから見守られ、あらためて自信をのぞかせた。

 エディ・タウンゼント賞を受賞した「チーム内山」に特別仕様のセコンド着を用意した。日本ランカー時代から親交のあるファッションデザイナー田山氏に依頼したモノトーンのシックなポロシャツがジムに到着。同氏は人気女性ブランド「A・T」などを手掛け、05年には全日本空輸グループの制服もデザインした有名ファッションデザイナー。チームをまとめる渡辺会長は「これでスタッフ全員で勝利を狙いにいけます」と強調。アジア杯を制したザックジャパン同様、チーム一丸となって防衛成功を狙う雰囲気となった。

 前日計量が行われたこの日は、無償デザインを買って出た田山氏の56歳の誕生日。同氏に「内山ブランドの1つと思ってデザインした。自分の誕生日プレゼントに勝利してくれると信じている」と期待され、発奮材料も増えた。KO勝利すれば日本ジム所属世界王者のKO率で1位に躍り出る。「チャンスがあればKOを狙いたい」。一体感のあるチームに支えられた内山がV3防衛を達成する意気込みだ。【藤中栄二】