<プロボクシング:WBA女子世界ライトミニマム級王座決定10回戦>◇22日◇東京・後楽園ホール

 プロデビュー3年目の安藤麻里(23=フュチュール)が初代王者に輝いた。アマラ・ゴーキャットジム(22=タイ)との王座決定戦で、10回判定3-0勝利。タイトル初挑戦ながら、前のめりに距離を詰める相手に右アッパー、左ボディーブローを冷静に決め、アマ経験のない異色の世界王者に。「今まで生きてきた中で一番うれしい」と大粒の涙を流した。

 デビュー2連敗と苦労を重ねたプロ人生。「見放さずに支えてくださった方々のために」と7月以降150回以上のスパーリングをこなし、お守りの束をバッグに忍ばせた。昨年12月にアマラの挑戦を退けた所属ジムの先輩、WBA女子世界ミニマム級王者・多田から教わった接近戦での打撃も実践。平山会長も「アマ経験がないだけに伸びしろがある」と目を潤ませた。

 プロ戦績は8勝(4KO)3敗。マウスピースをつけたまま、我慢してきた好物のバームクーヘンを頬張った。【山下健二郎】