WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(32=ワタナベ)が、5度目の防衛を「5回KO勝利」で飾る。16日に出身地の埼玉・春日部市(ウイングハット春日部)で同級6位マイケル・ファレナス(28=フィリピン)を迎え撃つ内山は13日、都内で予備検診を受け、挑戦者とともに体調に異常なしと診断された。絶好調ぶりに所属ジムの渡辺均会長は、5回決着の圧勝を予想。過去、内山の世界戦すべての結果を的中させており、陣営側の絶対的な自信をうかがわせた。

 なにも今から力む必要はない。相手を威圧する殺気も、リングで放てばいい-。決戦を目前に控えた内山は、挑戦者を横目にかすかな笑みを浮かべていた。「これといって意識することはないですね。体調がいいので、自分がどれだけやれるのか楽しみ。早く試合がしたいです」。心身ともに“現状維持”で十分。王者の貫禄と自信を漂わせた。

 検診の測定部位に限れば、前回までとほぼ同じ数値。ただ、下半身やパンチの威力に影響する背筋を重点的に鍛え「見た目には分からない、筋力の質が上がった」と自負する。パンチを打つ際の踏み込みの鋭さと速度アップを感じる。「序盤は相手の様子を見て、行けるときに倒しますよ」。慌てず騒がず、ファレナスを追い詰める考えだ。

 東洋太平洋王者時代以来、現在8戦連続KO勝利中。そのうち、10年1月の世界王座奪取戦以来、内山の試合結果を事前に予想し、すべて的中させてきた渡辺会長は「コツコツと重いパンチを当ててダメージを蓄積させ、相手がカウンターを打つ力を失ったときに、倒しに行く。私の見立てでは、5回KO勝利」と断言した。同会長は対戦相手の戦績を分析した上、検診や計量時に相手の表情やしぐさなどを観察して精神状態を把握。「ファレナスは、内山のパンチ力を甘く見ている。5割の力でも、破壊力があることを分かっていない」と読んだ。

 勝負を決める一撃についても「左アッパーかもしれない」と渡辺会長は“予告”を加えた。至近距離で狙うアッパーは逆に、カウンターの1発を食らうリスクもあるが、内山も「相手は(自分の間合いに)入ってくるタイプ。下からのパンチが有効だと思う」と暗に、会長の予想を裏付けた。「KOダイナマイト」の異名どおり、内山が強さを証明する一戦に臨む。【山下健二郎】