IBF世界ミニマム級王者高山勝成(30=仲里)が、挑戦者も亀田兄弟も“KO”する。30日、大阪市内(ボディメーカーコロシアム)で12月3日に同級6位ビルヒリオ・シルバノ(23=フィリピン)と初防衛戦を行うことを発表した。同日同会場では、亀田兄弟の次男大毅(24)とリポリオ・ソリス(31=ベネズエラ)のIBF・WBA世界スーパーフライ級王座統一戦開催が既に発表されており、さらにWBO世界バンタム級王者の三男和毅(22)の初防衛も予定される。高山は、3大世界戦で4年5カ月ぶりの国内復帰戦を行う。

 高山は「海外で戦ってたくましくなった。国内のボクサーは精神面が弱い。12月の世界戦で、高山の試合が一番よかったといわれるようにしたい」。09年11月にJBCに引退届を出し、当時未公認だったIBFに挑戦。今年3月に敵地メキシコで王座を奪取。WBC、WBAに続き、日本で初めて3団体のベルトを巻いた実力王者の力を見せる。

 5月には国際的な社会貢献団体「ロータリークラブ」の第2640地区(大阪・堺)に入会して「海外で貧困を見てきた。僕にできることがあれば」。相手はスペイン語で「マトン(不良少年)」の愛称を持つ左ファイター。海外で「ライトニング(稲妻)K」と呼ばれる高山が、打たせず打つというボクシングの理想を体現する。【益田一弘】