ボクシングのWBC世界ライトフライ級王者・井上尚弥(21=大橋)が今日23日、9月5日の初防衛戦に向け、IBF世界ミニマム級王者・高山勝成(31=仲里)と世界王者同士の異例のスパーリングを行う。強い相手を求めた陣営と、8月9日にWBO王者との統一戦(メキシコ)を控える高山側との思惑が一致。横浜市内の大橋ジムで「初対戦」が実現する。井上は22日、「楽しみですね。次の相手と身長も同じぐらいなので、イメージを作れれば」と話した。父の真吾トレーナーも「深さと相手の良さを消すうまさがある。良い勉強になると思う」と歓迎した。

 井上は今月に入って日本フライ級王者村中、同スーパーフライ級王者戸部らを迎え、実戦中心のメニューを消化。8月上旬にはフィリピン人の世界ランカーを3人招く。大橋会長は「真夏のスパーリング祭り。長い目でみての強化と、試合中にアクシデントがあった時にも力が出せるように」と狙いを説明した。国内最速の6戦目で世界王座を奪取した「怪物」が、過酷な夏を乗り越え、さらに強くなる。【奥山将志】