<新日本:G1クライマックス24>◇10日◇埼玉・西武ドーム

 あと1歩届かなかった。11年以来2度目の優勝を目指した中邑真輔(34)は、容赦なく顔面を踏みつけるなど、鬼気迫る表情でオカダ・カズチカ(26)を追い込んだ。20分を超え、スライディング式、ジャンピング式と得意の膝蹴りボマイェを連発。ところが、続く正調のボマイェを繰り出そうとした瞬間だった。カウンターのドロップキックを顔面に受けた。流れを奪い返され、つかみかけた勝利が手からこぼれ落ちた。

 ひれ伏すように会見場の机にもたれかかると「自分にとってプロレス、人生はアート。変化や刺激、起こり得る事象は、すべてが俺の人生を彩るもの。今日もその1つだと思いたいね」。悔しそうに言葉を絞り出した。

 それでも「成長をそばで見てきた」と語る後輩オカダとの激闘に充実感も漂わせた。「周りからどう感じられているか知らないが、あいつはピュア。非常に伝わってきた。ただ、打ちのめしてやるのが俺の仕事だった」。ファンが待ちこがれた2年ぶりの夢カード。会見の最後は「それも人生。イヤァオだ!」と力強い言葉で締めくくった。

 プロレス初開催の西武ドームで、中邑が自らのプロレスを見せつけた。