東前頭7枚目の豊ノ島(32=時津風)が、速攻の寄りで蒼国来を破り10勝目。「思い切って、もろ差しを狙った。狙い通りに一気に攻められた」と2場所ぶりの2桁勝利を喜んだ。

 もっとも、この日の相撲について語ったのは、これぐらい。報道陣の質問も13日の全勝大関琴奨菊との一番に集中した。それは豊ノ島にとっても「めちゃめちゃ、うれしい。昔から知っているから」と喜ばしい対戦のようだ。中学時代に高知でライバル関係が始まり、02年初場所初土俵の同期生。入門時に「お互い関取になれればいいね」と言い合ったライバル関係で「夢のような話。明日はドラマになるかも」と、うれしそうに話した。

 もっとも自身にも逆転V、さらなる星の上積みで2年ぶりの三役復帰も可能性はある。うれしいばかりでなく「何なら自分が優勝してやる、ぐらいの気持ちもある。すんなり優勝されるのも悔しいし」と、しばし友情関係は封印して大一番に臨む。