“独眼竜”の土俵が続く西前頭5枚目の嘉風(34=尾車)が、元気いっぱいの相撲で館内をわかせ、6勝目を挙げた。

 東前頭8枚目で2敗同士の千代鳳(23=九重)と対戦。左四つで胸を合わせられ苦しい体勢。右の巻きかえは、やや強引にも見え上体が浮き寄り立てられたが、投げを打ちながらしのぎ、体を入れ替えて下手投げで175キロを転がした。

 本人も「今日は防戦一方だった」と劣勢を認めつつも「右手でしつこく、左四つにならないように右を、うまく使えた」と勝因をさぐり、さらに「負けた相撲はいつも引いていた。今日は引かないように」と、3勝2敗と勝ち越していた過去の対戦内容も頭に入れて臨んだ。

 3日前の逸ノ城戦で、右目上のあたりを裂傷。数針ぬった患部は「腫れは早くひいた」と話すが、視界は「普通にしてたら見えるけど、アゴを引いて上目遣いになると視界が悪くなる。怖さと見え方が違うし、感覚の違いで相撲を取った後の疲れ方が違う」と、神経を遣う気苦労を口にした。それでも「頭から行く相撲しか取れない」と一本気な相撲は曲げない。「ボクシングならフェイントを交えながらめった打ちを食らっているところ」というリスクを抱えながら、幕内中位をかき回す。