大関高安(29=田子ノ浦)が、ぶちかましの快感を得て本場所に臨む。高安は7日、初日を3日後に控える大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)を前に、大阪・東成区の時津風部屋で出稽古した。

やはり出稽古に来た横綱鶴竜(33=井筒)が、西前頭3枚目の正代(27=時津風)と10番取った後、土俵に入った。まずは、その正代と9番取って全勝。次に指名したのは、立ち合いの体当たりのぶちかましでは高安と双璧とされる、東前頭5枚目の千代大龍(30=九重)。稽古場に、立ち合いで両者が当たる際の激しい衝撃音が響く中、火が出るような三番稽古は31番も続いた。20勝11敗と千代大龍も善戦し、高安が圧力負けして押し倒される相撲もあった。

この日は元々、40番取ると決めていたという。2人を相手に予定取りの40番を取り、特に千代大龍との稽古では「いい稽古相手がいて良かった。まだまだ行ける感じもあったけど(31番の)終盤になっても、すごくいい当たりで来てくれて、ありがたかった。力を抜かれても、こちらの稽古にならないし、思い切り吹っ飛ばしてもくれた」と感謝感激の様子だった。

もちろん、この日が場所前の稽古のピーク。「明日、明後日としっかり調整、ケアして初日を迎えたい。まだちょっと(相撲で)直すことは、たくさんある。細かいところをもう1回、自分で見つめ直すけど体力的には(問題)ないと思う」と自己分析。左四つ、右上手という「自分十分の体勢に(いかに)なるかが課題。そこらへんを意識したい」と言い、さらに「(右上手が)取れなかった時のことも考えなければいけない」と詰めの部分も試行錯誤しながら場所を乗り切る。