AKB48グループが、前代未聞のチーム大シャッフルを行った。東京ドーム公演初日のアンコールで、AKB48から海外や別グループに移籍するメンバーが発表された。選抜常連の宮沢佐江(22)と鈴木まりや(21)が上海に発足するSNH48へ。仲川遥香(20)高城亜樹(20)がジャカルタのJKT48へ移ることが発表された。そのほか渡辺麻友(18)がチームAへ、北原里英(21)がSKE48とチームKを兼任。AKB48は4チームから3チーム編成になり、高橋みなみ(21)は「総監督」に決まった。

 やはり、サプライズは用意されていた。アンコールに入り、時刻が午後9時を指そうというころ、メンバーの後方にタキシード姿の男性が現れた。おなじみ、サプライズを発表する戸賀崎智信AKB48劇場支配人だ。「今日、AKB48を新たに組閣します!

 まずチーム4を解散し、3チーム体制に戻します」。ざわつくステージ、スタンド。次々と発表された新人事は、ファンはもちろん、メンバーの想像をも超えた大規模なものだった。

 まず、高橋の48グループ総監督就任、篠田麻里子(26)のチームAキャプテン就任が発表された。その後も、見慣れたそれぞれのチームの顔たちが、容赦なく別のチームへ移っていく。最初のビッグサプライズは、高城のJKT48移籍だ。発表直後、戸惑った表情で必死に笑顔をつくった高城だが、目にうっすら涙を浮かべていた。

 大人事は止まらない。今度はチームKツインタワーの一角、宮沢がSNH48へ。まだ、発足日も決まっていないグループへの移籍に、「えーっ!

 えーっ!」と目を大きく開き連呼した。仲川のJKT、鈴木のSNHを含め、4人が海外へ移籍。しかも、過去にあったような兼任ではなく、完全に専任となるだけに衝撃度は大きい。グループの悲願だった東京ドーム公演を成功させ、第1章が幕を閉じたAKB48。「休んでいる暇はない」と言うがごとく、次のステップが用意されていた。

 動揺を隠しきれない高橋は、声を震わせながらも「新しい何かを始めなければいけない。もまれた方が成長できると思う」と言った。1つのゴール到達は、新たな目標のスタート。サプライズや、時にはスキャンダルも巻き込んできた劇場型アイドルは、東京ドームさえもショーの空間に変えてしまった。【森本隆】

 ◆高城亜樹(たかじょう・あき)1991年(平3)10月3日、福岡県生まれ。愛称は「あきちゃ」。08年6期生としてAKB48入り。同年チームA昇格。10年「ポニーテールとシュシュ」で初選抜。血液型B。

 ◆宮沢佐江(みやざわ・さえ)1990年(平2)8月13日、東京都生まれ。愛称は「さえちゃん」。06の第2期生オーディションに合格。じゃんけん選抜を除くメジャー全シングルで選抜。血液型O。

 ◆仲川遥香(なかがわ・はるか)1992年(平4)2月10日、東京都生まれ。愛称「はるごん」。3期生としてチームBで公演デビュー。総選挙最高20位(10年)。渡り廊下走り隊7にも所属。血液型O。

 ◆鈴木(すずき)まりや

 1991年(平3)4月29日、埼玉県生まれ。愛称「まりやんぬ」。08年AKB48に7期生として加入。09年チームBに昇格。特技は、1ケタの足し算と引き算とダンス。血液型AB。