「レッド・ソニア 反逆の剣」(5月8日公開)は有史以前の「ハイボリア時代」を舞台にしたファンタジー・アクション作品だ。
ハイボリアは、1930年代に多くの怪奇幻想小説を発表したロバート・E・ハワードの「英雄コナン」シリーズの舞台となった世界だ。彼の短編に登場するキャラクターを膨らませたのがマーベル・コミックの「レッド・ソニア」で、映画はこれを原作としている。
85年にはこれがデビュー作のブリジッド・ニールセンと、B級を抜け出しつつあったアーノルド・シュワルツェネッガーという肉体派の共演で映画化され、ニールセンはこの作品でゴールデンラズベリー賞ワースト新人賞という、あまり喜べないレッテルを貼られた。だが、時としてこういうB級の匂いが漂う作品が無性に見たくなる。
今作はそんなハワードのまがまがしい幻想古代活劇に実にまじめに真正面から取り組んでいる。
蛮族の侵攻で故郷を奪われた戦士ソニアは自然豊かなヒルカニアの森で、ちりぢりになった一族を探しながら生き延びている。だが、全国制覇を目指す皇帝ドレイガンの手はその森にも及び、捕らえられたソニアは都の闘技場に送られ、見せ物の「死闘」を強いられることになる。戦闘スキルに加え、精神力と知力を兼ね備えたソニアの「グラディエーター」ばりの反撃が始まるがー。
「サイレントヒル リベレーション」(12年)のM・J・バセット監督は、怪奇生物や闘技場をていねいに作り込み、ハイボリア世界を再現。死闘を迫られるとらわれの戦士たちのキャラクターも多士済々で飽きさせない。皇帝が進める自然破壊と、森に生きるソニアの一族のコントラストは「もののけ姫」をほうふつとさせる。
ソニアを演じるのは「REVENGE リベンジ」(18年)で強烈な印象を残したマチルダ・ルッツ。今回もキレのいいアクションを見せている。細身の筋肉質に説得力がある。原作コミック通りのビキニアーマー姿もキマっている。
マッチョな周囲から悪目立ちする皇帝のなよっとした感じを「移動都市/モータル・エンジン」のロバート・シーハンが巧みに演じている。1時間50分。スキなく収まった娯楽作品だ。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)




