乃木坂46から初めて早大生が誕生することが14日、分かった。1期メンバーで早大の付属高に通学していた市来玲奈(18)が、内部推薦で第1志望の文学部に合格した。この1年は学業優先だったが、今後はアイドルと学生生活をしっかり両立させる方針。グループへの兼任加入が決まったSKE48松井玲奈(22)に対しても、同じ「玲奈」としての意識を口にした。

 努力が報われた。市来は11年春、超難関の早大付属高に合格。同年夏にはオーディションを経て乃木坂46に加入した。文武両道でハードな生活を覚悟した上での決断だった。

 デビューから約1年は、選抜メンバーとしてアイドル活動を続けた。新幹線で片道2時間以上かけて自宅から通学。移動中や楽屋での空き時間も勉強に費やした。付属校とはいえ、全員が早大に進学できるわけではない。さらに、志望学部に進むには、学年上位の成績をとる必要があった。必然的にこの1年は学業優先となった。昨年10月の代々木第1体育館ライブなどのビッグイベントも欠席。選抜メンバーからも外れた。

 その一方で、1日10時間以上勉強する日々が続いた。3万字以上に及ぶ卒業論文も執筆。経験も踏まえた「アイドル論」をテーマに、基準の成績をクリアし、志望の文学部への進学を決めた。文学部を選んだ理由については、「アナウンサーの方も多く卒業されているし、多くの分野から専攻を選べるから」と説明した。

 目標を達成し、ようやく乃木坂46の活動にも力を入れられる。他のメンバーは多くの経験を積み、すぐに選抜に復帰できる保証などないが、「アイドルと大学の両立をより濃いものにしたい」と意気込んでもいる。松井の乃木坂46兼任についても「同じ名前で親近感があります。今は手が届かない存在だけど、いろいろ吸収して、同じくらいの『玲奈パワー』を持てる人になりたい」とプラスに考えている。

 ソロの活動にも前向きで、「クイズ番組で活躍したいし、お天気キャスターにも挑戦したい。(将来は)アナウンサーか女優になるのが目標です」。早大進学というハードルを飛び越えた少女の目には、夢があふれている。【横山慧】

 ◆市来玲奈(いちき・れな)1996年(平8)1月22日、千葉県生まれ。12年8月、乃木坂46のオーディションに合格。デビューシングルから4枚目まで選抜メンバー入り。座右の銘は「雨垂れ石をうがつ」。特技は競技ダンス(社交ダンス)で、小6の時には世界大会に出場した。愛称「れなりん」。母も早大第1文学部卒。153センチ。血液型A。