ボクシングの「世紀の一戦」として注目を集めた2日にラスベガスで行われたフロイド・メイウェザー(米国)対マニー・パッキャオ(フィリピン)戦は、ハリウッドスターたちにとってもリングサイド席の確保の戦いだったようです。会場となったMGMグランド・ガーデン・アリーナの収容人数は1万6800人ですが、なんと一般に販売されたチケットはわずか1000枚のみだったといいます。その他のほとんどの席は、関係者とVIP用に確保されていたわけですが、その中でも当然人気度が高いのはリングサイドの約900席。ここは、当然ながらハリウッド業界やスポーツ業界の大物たちで賑わっていたといいます。

 LAタイムズ紙などによると、クリント・イーストウッド、ベン・アフレック、マーク・ウォルバーグ、マット・デイモン、ビヨンセ夫妻、クリスチャン・ベール、マイケル・キートン、デンゼル・ワシントン、ブラッドリー・クーパー…と大物がずらりと陣取っていたとのこと。またスポーツ界からも、マイケル・ジョーダンやマイク・タイソン、ゴルフの試合中にプライベートジェット機で駆け付けたという男子ゴルフ世界ランク1位のロリー・マキロイまで、とにかく豪華な顔ぶれが勢ぞろいだったことがうかがえます。

 ラスベガスの空港は、この試合を観戦するために世界中から集まったVIPのプライベートジェット機で埋め尽くされたと言われ、普段ならスポンサーらから招待を受けるAリストスターたちでさえも今回ばかりは大金をはたいてチケットを購入するケースもあったようです。気になるそのお値段ですが、前列付近のセレブ席は10万ドル(1200万円)と言われ、チケットの再販サイトでは35万ドル(4200万円)で売られていたとも言われています。それでも確保できなかった人も続出したそうで、エージェントの力関係が垣間見れた感じもあります。そんな中、スポンサー企業の1つであるウォッカのメーカー、VOCO Vodka & Coconut Waterは、試合観戦中に同社のロゴ入り帽子などのアイテムを身につけることを条件に、レオナルド・ディカプリオやウィル・スミス、リアーナらスターにチケットの無料提供を申し出ていたと言われています。

 世界中のVIPが大熱狂した世紀の一戦から一夜明け、ネットではメイウェザーの3-0の判定勝ちという試合結果に賛否両論の声があがっています。有料放送ペイ・パー・ビュー(PPV)の視聴料も日本円で1万超えという高さで、大金を払って観戦したファンにとっては少々残念な結果だったようですが、負けてしまったパッキャオは、シルベスタ・スタローンから「エクスペンダブルズ」シリーズへの出演を直々にオファーされているとも伝えられており、今度はスクリーンでその活躍を観ることができる日が来るかもしれません。

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