落語協会(柳亭市馬会長)で5人の新真打ちが誕生した。林家正雀門下の林家彦丸(33)、月の家円鏡門下の鏡太あらため月の家小円鏡(42)、林家正蔵門下の林家たけ平(38)、林家正蔵門下の林家ぼたん(36)、柳家花緑門下の鬼〆あらため台所おさん(45)。
先日、真打ち昇進披露宴と会見があったが、それぞれの個性が際立った。大師匠が林家彦六である彦丸は「古い噺を手掛けるのが好き。人情噺、怪談噺をやりたい」とまじめに言えば、「弱きをくじき、強い者にヨイショが師匠(橘家円蔵)の教え。彼の家が金持ちだから弟子にした」と円鏡が笑いを誘い、ヨン様のそっくりさんで売り出した小円鏡も「僕の売りは手品で、誰にも負けない」。
こぶ平時代の正蔵のもとに事務所スタッフとして入り、3カ月後に「これなら僕でもできる」と前座になった、たけ平は「初めて落語を聞く人にも面白いと思われる落語家になりたい」。今回、改名しなかったが、正蔵は「こぶ平を継ぐかと聞いたら、『いりません』と言われた」と苦笑い。長期療養中のこん平の面倒を献身的に見てきた、ぼたんは「おばあちゃんになってもできる、息の長い芸人に」と意欲をみせた。おさんは鬼〆から改名したが、1歳年下の師匠花緑によると、鬼〆もおさんも、5代目柳家小さんが好きだった名前で、弟子につけたがっていた。しかし、弟子たちが嫌がり、空席だったもので、おさんは「どちらも気に入っていた。快適で、愉快な落語家でいたい」とユニークな抱負を話した。
真打ち披露興行は3月21日からの鈴本演芸場下席から始まるが、個性豊かな5人の高座はお勧めです。【林尚之】




