昨年1月に亡くなった歌手やしきたかじんさん(享年64)が大阪活性化をねらい、キャプテンと理事を務めていた一般社団法人「OSAKAあかるクラブ」は7日、公式ホームページに書面を掲載し、たかじんさんの妻、家鋪さくらさんから、遺贈金2億円について、事実上の返還請求があったことを明らかにした。

 同クラブは4月30日付の書面を掲載し、返還請求についての正式見解を掲載した。

 遺贈金の返還請求をめぐっては、一部週刊誌にさくら夫人側から同クラブ側に返還を求める請求があったなどと報じられ、4月27日に2代目キャプテンとして、桂文枝が就任したセレモニー後に、同クラブ理事が取材対応。

 同理事は「返還請求はなかったが、新法人設立に遺贈金2億円をあてる形で協力してほしいとの依頼はあった」としたが、あくまでも「返還請求ではなかった」と話していた。

 今回、一転して、返還請求があったことを認める内容を記載した理由には、取材側からの質問の中に「奪い返そうとした」との表現があったため「当該理事は『奪い返そうとした』というのは語弊があると判断し、その場で不正確なコメントをしてしまいました」と説明した。

 遺贈金2億円については、同クラブが昨年12月、たかじんさんの遺言に基づき、遺産から2億円を受領したことを、同ホームページで報告。この日掲載した書面には、たかじんさんの遺言の内容も記載。

 その内容として「金2億円を、自分が生きてきた証として『たかじんメモリアル』を設立し、大阪のために頑張ってくれた人に対して表彰し、金100万円から500万円を授与するものとするが、当面の運営は、大阪あかるクラブが行うため、同法人に遺贈する。運営が順調になれば新法人を設立することを希望する」と記した。

 同クラブは、この遺贈金2億円について、すでに受領は認めており、その流れの中で、昨年夏頃から、さくら夫人と「たかじんメモリアル」設立をめぐって協議。「新法人における当クラブの役割や、遺贈金を放棄した場合の新法人での2億円の使途などに関する合意文書を取り交わさせていただきたい」として、遺贈金放棄の選択肢も含め、検討を重ねてきた。

 ただし、さくら夫人側から「結果的に当方の提案はご理解いただけず」、当初の予定通りに遺贈金2億円受領の形で落ち着いたため、昨年12月に受領したと主張している。