昨年1月に亡くなった歌手やしきたかじんさん(享年64)の妻、さくらさんが名誉を傷つけられたなどとして、元弟子や、たかじんさんの30年来友人男性A氏に対して損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した裁判2件のうち、1件が和解成立となり、4日、さくら夫人代理人の弁護士が認めた。

 和解が成立したのは、2件目のA氏との民事訴訟で、この日は、元弟子との訴訟の弁論準備が行われた。

 さくら夫人は昨年12月に、元弟子の打越元久氏に、インターネットラジオなどで、名誉を傷つけられたとして、1000万円の損害賠償を求めた民事訴訟を起こし、今年1月にも、A氏がブログに、さくら夫人の名誉を傷つける記載をしたなどとして、1000万円の慰謝料を求める民事訴訟を起こしていた。

 この日は、2月の第1回口頭弁論の後に、非公開の弁論準備で進められている元弟子との裁判のため、双方代理人が大阪地裁へ姿を見せた。

 手続き後、原告のさくら夫人側代理人が、もう1件の友人男性を訴えた裁判は、5月26日に和解が成立していることを認めた。同代理人は、訴状取り下げではなく「裁判的な和解」とし、和解条件の詳細は明かさなかったが、ある程度、さくら夫人側の訴えが認められる形だった模様。代理人は、さくら夫人について「和解ですから(納得は)しているでしょうね」と話した。

 さくら夫人本人は、たかじんさんの公式ホームページに、和解成立のコメントを掲載。A氏の実名を記し「(A氏は)自身のブログに掲載した内容について、そのほとんどが伝聞や臆測に基づいた事実とは異なる記載であることを認め、これにより家鋪さくら氏の名誉を傷つけたとして東氏より和解の申し入れがありました。最終的に、当方が同申し入れを受け入れ、和解をすることに致しました」とし、和解が成立したことを伝えている。

 A氏については「やしきたかじん氏が亡くなった直後より、『30年来の友人』としてブログを書いてきましたが、最後に直接たかじん氏本人と会ったのは15年以上前とのこと」と、近年は疎遠だったことを主張。さくら夫人とは「全く面識がありませんでした」と、最近の関係性の希薄さを訴えている。

 また、元弟子の打越氏との裁判については、この日、被告の打越氏側から公共性、公益性の見解などをもとに、訴状に反論する書面が提出され、次回7月16日には、原告側がそれに反論する準備書面を用意することで合意した。

 被告側代理人によると、次々回は8月に予定され、2月以来の第2回口頭弁論が開かれる見通し。弁論再開となる次々回には、打越氏が証人出廷し、原告、被告による証拠調べなどが行われ、「次々回で結審する可能性もある」と話した。