東宝の2016年ラインアップ発表会が10日、都内の東宝本社で行われた。

 席上で、スタジオジブリがフランスの製作兼配給大手ワイルドバンチと共同製作するアニメ映画「レッドタートル THE RED TURTLE」を来年9月に公開すると発表した。新作は、「岸辺のふたり」で01年に米アカデミー賞短編アニメ映画賞を受賞した、オランダのマイケル・ドュドック・ドゥ・ヴイット氏が監督を務める。

 「レッドタートル THE RED TURTLE」については、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、8月に都内で行われた、城西大創立50周年記念講演で概要を明かしていた。アーティスティックプロデューサーを「かぐや姫の物語」の高畑勲監督(80)が務める。

 東宝の市川南取締役は、「レッドタートル THE RED TURTLE」について「10年ほど前から企画があり、監督が日本に滞在して、鈴木さんと高畑監督と企画段階から練り上げて作っていたそうで、時間もかかっています。我々としては毛色が違いますが、ジブリ作品として配給をお引き受けしたということです」と説明。ジブリの今後については「今後どうなっていくかは特に知らされていない」と語った。

 その他に実写映画「青空エール」(16年8月公開)、「何者」(16年秋公開)が新作として製作、公開されることも発表された。

 東宝の15年の年間作品興行収入(興収)は、配給34番組中、10億円超えの作品が昨年より9本増の29本で、10億円を超えない作品のうち3本が9億円台だったという。1月から11月までの興収は664億6100万円で、04年から続く年間興収500億円超えを15年内に達成した。最高成績はアニメ映画「妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」(高橋滋春、ウシロシンジ監督)の78億円。実写ではSMAP木村拓哉主演「HERO」の46億7000万円が最高だった。千田諭副社長は「正月作品も順次、公開していく。これらの成績次第だが、見込み通りいけば、年間興収は710~715億を見込む。5回目の興収700億円超え、前年の729億円に継いだ歴代5位の成績になる」と説明した。