解散を回避した国民的アイドルグループ、SMAPが21日、東京・青海のフジテレビ湾岸スタジオで行われた同局系「SMAP×SMAP」(月曜午後10時)の収録に臨んだ。5人での仕事は、グループ存続を表明した18日の同番組緊急生出演以来。収録は和やかに行われた一方、メンバーが局内を移動する際は警備員がピタリと付くなど、ピリピリムードだった。

 5人が収録スタジオにそろったのは午後2時過ぎ。人気コーナー「ビストロSMAP」やコント収録は予定されておらず、5人での歌唱コーナーを2本分収録。リハーサルを含め、約5時間かけて行われた。

 リハーサルでは、いきなり草なぎ剛(41)が奏でたギターのチューニングがずれていたため、メンバーもスタッフも爆笑。一気に和やかなムードになった。メンバーが自分の好きな曲を選び、5人で歌う新企画では、草なぎが選んだサザンオールスターズの「涙のキッス」を全員で歌った。収録は終始穏やかな雰囲気だったという。この日収録分の放送日は未定。25日はドラマ枠拡大で、午後10時15分から放送が行われる予定だ。解散を回避したことで、「スマスマ」は4月以降も存続するとみられる。

 だがスタジオを1歩出ると、メンバーの周囲は常に緊張感が張り詰め、ピリピリムードだった。

 メンバーはそれぞれ、事務所スタッフが運転する車でフジテレビ入りした。稲垣吾郎(42)は出入りの際に顔を伏せた。収録を終えた草なぎは、疲れ切った表情で後部座席に天を仰ぎながら沈み込んだ。一方、木村拓哉(43)は行き帰りとも助手席に座り、前を見据えていた。いったんは独立の意向を示しながら翻意し、残留を認められた中居正広(43)、稲垣、草なぎ、香取慎吾(38)の4人と当初から残留を決めていた木村。カメラを向けられても堂々としていた木村の姿は、他メンバーと対照的だった。

 局内では厳戒態勢が敷かれた。スタッフによると、普段の収録よりも多少警備員を増やしたという。メンバーが移動する際だけでなく、トイレに行く時もスーツ姿の警備員が付いた。

 18日に「スマスマ」に緊急生出演し、ファンに謝罪しグループ存続を表明してから3日後。ファンを始め各方面に謝罪してけじめをつけたことで、解散騒動は収束したとみられる。だが、レギュラー番組収録でのピリピリムードは、社会的事件に発展した解散騒動の大きさを物語っている。

※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀