声楽家の佐藤容子(35)と佐藤寛子(33)姉妹によるユニット「シュガーシスターズ」が、日本の唱歌や童謡の「再発見」に取り組んでいる。「日本の歌は、日本の文化。いい唱歌や童謡は多いのに、演奏の機会は限られている」。20年東京五輪・パラリンピックを「世界の人に、日本の歌を広げるチャンス」ととらえており、唱歌や童謡のさらなる普及へ動くつもりだ。

 姉の容子はソプラノ、妹の寛子がメゾソプラノ。ともに小学生で歌を始め、東京芸大で声楽を学んだ。「このまま進めば、オペラ歌手になると思っていた」(容子)が、原点は子どものころに歌った童謡や唱歌。容子が大学院で日本歌曲の研究を始めたのを機に、姉妹での活動を決め、唱歌「ふるさと」誕生から100年の14年、デビューした。ユニット命名者は父親。名字の佐藤と「砂糖」をかけたオヤジギャグが由来だ。

 2人は「唱歌や童謡には日本の原風景がある。言葉の背景を優しく美しく伝えたい」と話す。オペラで磨いた発声法、「楽器」だと意識する身体を使い、姉妹独特のハーモニーを奏でる。今後は歌謡曲にも幅を広げ、「日本のうた」の発信を続ける。 【中山知子】

 ◆シュガーシスターズ 佐藤容子は81年3月31日、佐藤寛子は83年3月9日、山形県山辺町生まれ。ともに東京芸大大学院修了。14年11月、「わすれがたき ふるさと」でCDデビュー。容子は08年の日中首脳夕食会で歌声を披露、寛子は01年、春の全国選抜高校野球開会式で「君が代」を独唱した。

 今年7月16日、東京・池袋の東京芸術劇場コンサートホールで、ニッポン・シンフォニーと共演したコンサートに出演する。問い合わせは、オフィス ルナピエナ電話03・6421・2051。

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