人間国宝の中村吉右衛門(72)が9月の東京・歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」(1~25日)で、昼の部「一條大蔵譚」、夜の部「吉野川」に出演する。
「一條-」の大蔵卿役は15歳から演じる当たり役だが、祖父である初代吉右衛門の芸の顕彰のため06年に始めた「秀山祭」では初めて。阿呆(あほう)を装い周囲をあざむく役で「初代が作り上げた役。ハムレットの心境を取り入れながら、やればやるほど面白みがある」。大判事に14年ぶりに挑む「吉野川」は定高に坂東玉三郎のほか、市川染五郎、尾上菊之助が出演。「今までと違う(初代の型を継承した)実父(松本白鸚)の型でやる。『秀山祭』は初代はこうやったと伝えるのも目的だから」。
今年は初代生誕130年、吉右衛門が2代目を襲名して50年となる。「早かった。追われて、戦い続けて、振り返る時間はなかった。大きかった初代と同じくらい大きくならなくてはと、そればかり考えてやってきたように思う。前を向いて、これからもやっていきたい」と話した。



