原田琥之佑(16)の主演映画「POCA PON ポカポン」(大塚信一監督)初日舞台あいさつが9日、東京・新宿Kʼs cinemaで行われた。
同作を大塚信一監督と企画から手がけた尾関伸次(46)は、原田が演じる主人公の宮下健太を見守る団地の管理人・大楠駿一を演じた。実は、団地に潜んでいるとうわさされた、かつて世間を震撼(しんかん)させた連続児童殺傷事件を起こした犯人だった、という役どころだが、非暴力で知られるインド独立の父として知られるマハトマ・ガンジーや、宮沢賢治に関する著作を、役作りの参考にしたと明かした。
「POCA PON ポカポン」は、今年1月に亡くなった長谷川和彦監督に師事した後、有名ラーメン店で働きながら映画を製作してきた、大塚信一監督の新作。尾関が演じた駿一は、健太を見守りつつ大角英夫(13)が演じた健太の弟祐二、女手1つで2人の息子を育てる、菜葉菜が演じた健太の母朝子のことまでサポートする。善良な振る舞いを、どこまでも貫く一方で、見返りも求めない男だ。ただ、ある出来事をきっかけに、過去の犯罪が発覚してしまう。
尾関は、大塚監督が持っていた間永次郎氏の著作「ガンディーの真実 --非暴力思想とは何か」(ちくま新書)を読み「非暴力、衣食住、性のことをまとめていて、ヒントをもらって役を作ったのがスタート」と振り返った。その後、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」に出てくる人物を参考に「サイコパスじゃなく、すごく倫理的に生きている人間というところをベースにした」と続けた。
大塚監督は「猟奇的殺人鬼だった男が、今度は真逆にガンジーのような生き方をしていたら、もう1回、怪物として僕らの前に現れるんじゃないか? 僕達より倫理的な存在になっていあたら、僕らはどう解釈し、判断したら戸惑うと思った。それを見てみたかった」と説明。その上で、1931年(昭6)の米映画「フランケンシュタイン」が、作品の下敷きにしたと明かした。
◆「POCA PON ポカポン」 宮下健太(原田琥之佑)は、貧しい生活、隣人の騒音。不条理な現実にいら立ちながらも、母朝子(菜葉菜)弟祐二(大角英夫)を支えようと生きる。その周りで“ポカポン”いう謎の声が鳴り響く。そんな中、健太は家族を静かに見守る団地の管理人・大楠駿一(尾関伸次)と心を通わせるようになるが、かつて世間を震撼(しんかん)させた連続児童殺傷事件の犯人が、この団地に潜んでいるといううわさが流れ始める。



