フジテレビ伊藤利尋アナウンサー(53)が11日、メインキャスターを務める同局系情報番組「めざましテレビ」(月~金曜午前5時25分)に出演。男子生徒1人が死亡した磐越道のマイクロバス事故について、レンタカーと二種免許のない運転手を事故歴などの確認もせずに使った今回のバス運用について「何のためのルールなのか?」と、憤りを隠せない様子で訴えた。

事故は6日午前7時40分ごろ、福島県郡山市熱海町高玉の磐越道上り線で発生。自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで逮捕された胎内市の無職若山哲夫容疑者(68)が運転する、北越高校の男子ソフトテニス部員20人を乗せたレンタカーのマイクロバスがガードレールに衝突。部員の稲垣尋斗さん(17)が死亡、17人が重軽傷。運転していた若山容疑者も負傷した。

事故をめぐっては、これまで北越高とバス会社「蒲原鉄道」の主張が食い違っている。レンタカーのバスを手配した蒲原鉄道は6日に会見で、予算を抑えたいとの学校側の要望に応じレンタカー業者のバスを用意したといい、運転手の手配も求められたと主張。北越高は7日の会見で灰野正宏校長は「レンタカーを出してとか、運転手がいないから出してとお願いはしていない」と断言していた。

バスの安全運行の根幹に関わる契約について主張の食い違いが続く中、北越高校は10日、2度目の記者会見を開き、改めて「レンタカーを出して」と依頼はしておらず運転手の手配も依頼していないと、蒲原鉄道側の主張を否定している。 一方、番組では、逮捕された若山容疑者の自宅の10日の様子を紹介。停めて車の右サイドミラーにぶつかった跡があり、サイドミラーの高さにある敷地内の建物の一部が破損している状況や、車に他にもぶつけた跡がある状況を伝えた。若山容疑者は今回の事故以前に、今年に入って複数回、自動車事故を繰り返し起こしていたこともこれまでに判明している。

伊藤アナは、蒲原鉄道と北越高校の主張の違いについて「この違いというのはですね、単なる責任の所在うんぬんの話だけではなくて、実態としてのバス運行に大きな影響を与える部分でもあります」と、なぜ、白バスか否かが、この事件を考える時に重要なのかを端的に説明。その上で今回のバス運行の形態の問題点について解説を始めた。

伊藤氏は「通常の貸し切りバス(緑ナンバー)であれば、運転手の経歴、病歴、事故歴など確認しますし、勤務時間間のインターバル、しっかり休んでいるかも見ますし、さらにはアルコールチェックは義務」と説明。一方、今回の事件では「若山容疑者が運転しましたが、『紹介しただけ』とするバス会社側は経歴、事故歴確認していません。事故後に検出されたわけではありませんが、前日には飲酒していることも見えてきた」と、指摘した。

平松秀敏・フジテレビ解説副委員長は「事業者であれば、安全管理が徹底しているんですよ。今回は事故歴も調べていない。経歴は何している人が分からない。アルコールチェックもしていない。信じられない状況だった」と、今回のバス運行の問題点を指摘。「通常であれば、自分の運転に不安を抱いているような人物に、高校生後ろに載っけて、そのバスを運転しろってことはないんじゃないですか」と訴え「今回の事故の背景には、白バス行為というのがあるのは間違いないと思う」と語った。

伊藤アナは、東京都市大の西山敏樹教授の「定められているルールは緑ナンバーが前提。白ナンバーでの運用はありえない」とのコメントを紹介。その上で「ただ実態として、これは結構あるんではないか」と、様々な部活の現場でも同様のバス運用がなされている可能性にも言及。最悪の結果に繋がった今回のバス運行の在り方について「何のためのルールなのか? こういう気持ちになります」と、憤りを隠さずに問いかけた。