故夏目雅子さん(享年27)の遺作となった映画がスペシャルドラマ化される、テレビ朝日系「瀬戸内少年野球団」(17日午後9時)のプレミアム試写会が8日、都内で行われた。主演の武井咲(22)と三浦貴大(30)が出席した。

 「瀬戸内-」は79年に発表された作詞家の故阿久悠さんの小説が原作。戦後の淡路島を舞台に、国民学校初等科教員の中井駒子を主人公にして、希望を持って生きる野球少年たちの姿を描く。84年に夏目さん主演で映画化され、93年には鈴木保奈美主演でドラマ化された。今回は武井が駒子を、三浦が戦地で片足を失って復員する夫、正夫を演じている。

 生徒役の子どもたちとサプライズで再会した武井は「早く皆さんに見せたいと、自信を持って言える作品になりました。子供たちがかわいくて、素直さに胸を打たれて、パワーをもらいました。みんなをずっとギュッと抱きしめていたい」と笑顔で涙を浮かべた。夏目さんの映画について「もちろん拝見させていただきました。夏目さんが美しく、りりしくて、強いのが印象的でした。夏目さんに近づこうというより、どうして今、この作品をやるのか、どう伝えるのかに集中して演じました」と話した。

 武井と初共演の三浦は「武井さんの第一印象は『うわ~っ、顔、ちっさ』でした(笑い)。僕は、そこそこデカいんで。戦後の希望を子供たちを通して描いた作品。僕の役は、戦地で片足を失ったけど希望を失わない。だけど、壮絶なものでもあるので、あまり気にしないと超人的になってしまうので、そこを気をつけて演じました」と話した。