歌手増位山太志郎(67)が9日、新潟市で行われた「第23回越後にしかわ時代激まつり」に代官役で参加した。

 大相撲の力士として、大関まで上り詰めていた時代のトレードマークともいえるチョンマゲ姿。「今年8月にお芝居でカツラをかぶって以来、断髪式の後だとこの頭になるのは2回目だよ」。江戸時代に献上米を運んだ代官行列の中心になり、馬にまたがって町中を練り歩いた。

 時代劇のワンシーンのような光景に、沿道から「格好いいよ」「いい男っ!」と声がかかると笑顔で手を振っていた。

 13年11月に日本相撲協会を定年退職。その後に本格的な歌手活動を始め、魅惑の甘い歌声を全国に届けて約2年になる。「新曲の『白雪草』は女性を守る男の気持ちを歌った曲。これからも、よい歌をどんどん歌っていきたい」。

 永井みゆき(41)が奥方役で、桜井くみ子(35)が娘役として一緒に祭りを盛り上げた。行列の後には歌謡ショーを実施。増位山はヒット曲「そんな夕子にほれました」、永井は新曲「鳴り砂の女」、桜井も新曲「嫁入り舟」をそれぞれが披露した。

 時代激まつりは、江戸時代に同地区に曽根代官所が置かれていたことから、町おこしの一環として94年に始まった。江戸の町並みや屋台を再現し、当時の服装で商店街などを練り歩く代官行列に毎年、多くの観光客を集めている。