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今明かす…江頭は震災直後あの原発にいた

 昨年3月20日、震災と原発問題で孤立状態にあった福島県いわき市に救援物資を届けて話題になったお笑いタレント江頭2:50(46)の行動の一部始終が明らかになった。唯一の同行者だった放送作家松田健次氏(46)が行動録「F」(SALLY文庫)を出版した。2人は当時、福島第1原発も一方的に“訪問”していた。

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 本書は、ボランティア初心者の2人が直面したてんてこ舞いの記録と、お笑いタレントとしてどんどん迷っていく江頭の観察記の二重構造になっている。ボランティア活動をする上では何かとじゃまになる「お笑いタレント」の肩書と本能。折り合いに迷って今もこの件についてはあまり語らない江頭を横目に、今もいわき市とかかわり続けている松田氏がさっさと書いてしまった。

 当初「自衛隊の格好をしていく」とウケたい願望も口にしていた江頭だが、物資調達の現実にぶち当たるごとに口数が減っていく様子が生々しい。「おれは芸人だから、今回みたいな時でも何とかして芸人らしいことをできないかって考えたけど、今回はそれやったらダメだ」。しなくてもいい騒ぎを起こしたのではないか。一方で「このままだと普通にいい人だぞ」。いろいろあって、最後に「よおし、みんな頑張ろう、ドーン!」。股間からこぶしを突き上げる江頭と、笑う人々の交流が泣かせる。

 本では、ネットで拡散した「いい人キャラ」が重荷になった江頭の反動も明かしている。昨年4月3日、爆発から1カ月もたっていない福島第1原発を一方的に訪問していた。立ち入り制限の警戒区域だが、検問で地元民と間違われ、6号機の裏手までたどり着いてしまった。

 トルコ全裸逮捕事件、バイアグラ一気飲み入院事件、朝鮮中央テレビ映り込み事件、橋田寿賀子ディープキス事件など、危険なにおいにムラムラとする芸風が「原発」をスルーするはずもないのだが、福島の平穏な生活を奪った原子炉建屋を前に、やはりいつもの江頭節ではいられない。「福島原発にモノ申す!」で始まる、あの場限りの演説内容をしみじみと読んだ。不謹慎と言ってしまえばそれまでだが、禁じ手や素人手法でしか伝わらない「迷い」や「願い」も、確かにある。

 本書は東京の出版社ではなく、いわき市で作っていわき市内の書店だけで売られている。手に入れられる人はぜひ。SALLY文庫=0246・46・0321【梅田恵子】

 [2012年5月7日12時8分]









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