米人気俳優のトム・ハンクス(57)がテレビのトーク番組で糖尿病を告白した。

 36歳ごろから高血糖状態が続いていたが、大幅な体重の増減を繰り返してきたために悪化したという。年間30億円前後を稼ぐハリウッドのトップ俳優が、健康を犠牲にしてまで役作りしてきた代償でもあった。

 ハンクスは7日夜(同8日)放送のCBSテレビのトーク番組に出演。話題は新作映画「キャプテン・フィリップス」(11月29日日本公開)が中心だったが、自らの健康状態に触れると苦笑して、女性医師から告げられた病状を語った。

 ハンクス

 最近、ドクターに「あなたは2型糖尿病です。高校時代と同じぐらいの体重なら、完全に健康です」と言われたんだ。

 血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高いために、極端なのどの渇きや、時には意識障害や合併症を引き起こす糖尿病は、大きく2つに分けられる。血糖値を調節するホルモン「インスリン」が少なくなる「1型」に対して「2型」は、肥満などが要因となり、インスリンの働きが低下して発症する。

 ハンクスは36歳ごろから高血糖状態だったと明かした。92年当時で、映画「プリティー・リーグ」で女子プロ野球の監督を演じるため14キロ増量したという。以後、メグ・ライアンと共演した「めぐり逢えたら」(93年)、驚異的な身体能力の持ち主を演じた「フォレスト・ガンプ」(94年)、刑務所の看守役の「グリーンマイル」(99年)などに主演。それぞれ、役柄により体重も管理してきた。特に無人島に取り残された男を演じた「キャスト・アウェイ」(00年)では23キロ減量。短期間の体重の増減は、高血糖悪化の一因になった。

 壮絶な役作りの実態が明かされ、スタジオは静まりかえった。司会者が「ところで、高校時代は何キロだったの?」と問うと、これも意外な答えが返ってきた。

 ハンクス

 43・5キロだよ。医師には「高校時代の体重になれるはずなんかない。だから、僕は糖尿病のままだよ」って答えたよ。

 現在の身長、体重とも非公表のハンクスだが、身長は180センチ前後とみられる。超スリムだった高校時代に戻るには、役作り以上の覚悟が必要かもしれない。(ニューヨーク=鹿目直子通信員)