宝塚歌劇団雪組トップスター、壮一帆(そう・かずほ)の退団公演「一夢庵風流記

 前田慶次」「My

 Dream

 TAKARAZUKA」が6日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。7月14日まで。東京宝塚劇場公演は8月1~31日。

 宝塚音楽学校から20年のタカラヅカ生活。壮にとって、男役最後となる今回の前田慶次は悲願の役柄だった。「集大成とは思わない。最後の最後まであがき続けたい」といい、慶次の愛馬・松風に乗っての立ち回りも披露した。

 松風は歌舞伎で使われる人間が前足、後ろ足に入った特製の馬で、本物の雰囲気を損なわない“名馬”。今回の松風は、片岡愛之助主演だった10年9月の大阪松竹座公演「花の武将(ひと)

 前田慶次」で登場したもので、この日午前のけいこを見守った松竹演劇部によると、宝塚版は立ち回り、出番も多く「宝塚仕様にリニューアルしたもの」だという。

 壮と愛之助には縁もある。壮が前作「心中・恋の大和路」主演を前に、東京で歌舞伎版の同作を観劇した際も、主演が愛之助だった。壮は心中ものの役作りなどを聞いたが「あの時は大和路で頭がいっぱいで、慶次と松風(について)は聞いてなかった。聞いておけばよかった」と、今作のけいこ中に話したこともあった。

 因縁、悲願、有終…多様な思いが詰まった宝塚ラスト作に、壮は「千秋楽のその日まで、精いっぱい務めたい」と気合を入れた。

 また、レビュー「My

 Dream

 TAKARAZUKA」では、作曲家宇崎竜童(68)作詞家阿木燿子(69)夫妻がメモリアルソング「伝説(レジェンド)誕生」を書き下ろし。卒業をイメージさせる白で統一された衣装、セットで、壮がファンや仲間に「ついてきてくれて、ありがとう」などとメッセージを送るナンバーになっており、宇崎夫妻は、この日午前の通しげいこから観劇した。