女優若尾文子(80)が30日、歌舞伎俳優で映画俳優でもあった市川雷蔵の映画デビュー60周年を記念し、都内で行われたトークイベントに出席した。

 映画では「初春狸御殿」(59年)「花くらべ狸道中」(61年)など多数の共演歴があり、「-狸御殿」のときに、苦手な日本舞踊で毒舌を言われたのが思い出と明かした。

 「私は日本舞踊が苦手。歌舞伎をやっていらした雷蔵さんは、お手のもの。私の踊りを『デンマーク体操だ』と言うんです。でも、不思議と腹が立たないんです。面白い方です。頭がいいんですよね。半分はからかっていたんでしょうね」

 69年に雷蔵がなくなる直前には、雷蔵がプロデューサーを務める予定だった劇団「テアトロ鏑矢(かぶらや)」に誘われたことがあったという。「亡くならないでいらしたら、(雷蔵は)いい舞台俳優になっていらしたかも。私もできたら良かったですね。今、考えると惜しかった」と残念そうに振り返っていた。