吉木遼(25)主演映画「幻肢(げんし)」(藤井道人監督)の公開初日舞台あいさつが27日、都内で行われ、吉木、谷村美月(24)らが出席した。

 ミステリー作家島田荘司氏の作品としては初の映画化で、モントリオール映画祭でも上映されたが、島田氏によると、製作過程は前代未聞のドタバタぶりだったという。

 「『若者を主人公のおもしろい話を急いで書いてくれ。10日ほどで』と言われた」。監督に口で説明して、脚本に起こしたが「撮影が始まっても、小説は1行もでき上がっていなかった」

 同作は、東京・吉祥寺が舞台で、実際に吉祥寺在住の佐野史郎(59)は「俳優業に携わるものはそうですけど、現実と非現実を行き来するということが重なって、楽しめた感じがありました」。島田氏から「佐野さん、吉祥寺だったんですか。じゃあ、今度ビールでも」と誘われると、舞台上で飲みの約束をかわしていた。

 舞台を中心に活躍する吉木は、映画初出演で初主演。「すべてが新鮮で勉強にんりました。一瞬、一瞬がすべて糧になる。3回見ましたけど、1回目は緊張で見られなくて、自分が映っていない景色のところを見て、2回目でストーリーが見られて、3回目でやっと自分が見られた。恥ずかしい」と照れ笑いした。

 ほか遠藤雄弥(27)藤井監督が登壇した。