鹿賀丈史(57)が「ミュージカル

 シラノ」(来年5月5~28日、東京・日生劇場)に主演することが24日、分かった。大きな鼻を持つコンプレックスからいとこのロクサーヌへの思いを秘め続けた孤高の剣士シラノを主人公にしたエドモン・ロスタンの名作「シラノ・ド・ベルジュラック」のミュージカル版で、鹿賀は俳優人生35年の集大成として挑む。

 「シラノ」は、07年まで鹿賀が主演したブロードウェーミュージカル「ジキル&ハイド」の作曲家フランク・ワイルドホーン氏、脚本・作詞レスリー・ブリッカス氏が再び強力タッグを組んだ新作。日本上演にあたり、「ジキル-」の鹿賀を見てほれ込んだワイルドホーン氏が「鹿賀にやってほしい」と熱望した。初挑戦の鹿賀はスチール撮りで大きな鼻を付けて臨んだが、本番では歌いやすいようにさらに改良するという。

 シラノは早川雪洲、2代目尾上松緑、仲代達矢、橋爪功、江守徹らが演じ、翻案の「白野弁十郎」で島田正吾、緒形拳、ミュージカル版で市村正親、フランスの俳優ジャンポール・ベルモントも来日公演を行うなど、古今東西の名優が競って演じた。鹿賀は「ワイルドホーン氏の曲はシラノの人間像をダイナミックかつ細やかに表現しており、魅力的なシラノ像を作り出しました。間違いなく面白く、感動的な舞台になるものと信じています」と意欲をみせる。

 相手役ロクサーヌに元宝塚トップスター朝海ひかる(36)、美男のクリスチャンに浦井健治(27)と中河内雅貴(23)のダブルキャストとなる。鹿賀と同じ元劇団四季の光枝明彦、鈴木綜馬が出演し、演出は「ジキル-」と同じ山田和也氏。鹿賀版「シラノ」は、来年2月に国民的歌手ラフェロが主演するスペイン・バルセロナ公演とともにブロードウェーに先駆けての上演となり、世界中のプロデューサーから注目されている。