テレビ朝日開局50周年記念、松本清張生誕100周年記念スペシャルドラマ「疑惑」(今冬放送)に主演する俳優田村正和(65)と女優沢口靖子(43)の金沢ロケがこのほど行われた。佐原弁護士役の田村が、保険金殺人の疑いをかけられた悪女球磨子(沢口)の弁護を引き受けて物語は始まる。

 田村は弁護士役を岩下志麻、球磨子を桃井かおりが演じた82年の同名映画を見た上でドラマの脚本の質の高さから出演を決めた。飛行機は嫌いだが、石川・小松空港を経由して現地入りした。

 フジテレビの人気ドラマ「古畑任三郎シリーズ」では理論的に犯人を追い詰めたが、今回の法廷シーンでは古畑のように歩き回らず、淡々と話す。「岩下さんに比べて僕はせりふが多かった(笑い)。難しい法律用語もある。弁護士の方が難しい」。敵対する女性新聞記者役の室井滋(48)には「ばか野郎」というシーンがあり「本当にばか野郎と言った」と報道陣を笑わせた。

 沢口は攻撃的で挑戦的な悪女役だけに「田村さんだと思うとできない。弁護士と思って新鮮な気持ちで演じる」という。田村は沢口の役柄を「かなりたちが悪い。エキセントリックで手がつけられない。でも、悪魔の皮を着た天使」と分析。かなり癖のありそうな女性を、田村がどう弁護するかが見どころになりそう。