人気声優神谷明(63)が日本テレビ系人気アニメ「名探偵コナン」(土曜午後7時)の毛利小五郎役を降板したことが分かった。18日、制作する読売テレビが公式サイトで発表した。小五郎は主人公江戸川コナンを支える探偵で、神谷が96年の番組開始から演じてきた。同サイトでは「お互いにベストな選択をしようと何度も話し合いを重ねてきた結果、今回の結論に至った」としており、契約面で折り合いがつかなかったものとみられる。

 「キン肉マン」のキン肉マン役、「北斗の拳」のケンシロウ役で知られる人気声優の神谷が、96年の番組開始から持ち役にしていた毛利小五郎役を降板した。読売テレビはサイトで「神谷明さん卒業お知らせ」と題し「お互いベストな選択をしようと何度も話し合いを重ねた結果」と報告。後任の発表については10月28日の週刊少年サンデーで発表する、としている。

 この正式発表に先立ち、神谷がこの日朝にブログを更新し「昨日(17日)をもって名探偵コナンの毛利小五郎役を解かれました」と明かしている。理由について「詳しくお伝えすることはできませんが、契約上の問題と、信・義・仁の問題」とした上で、「ひとえに私の不徳の致すところであります」と、契約面で折り合いがつかなったことを示唆した。

 テレビ各局は広告不況による経営状況の悪化で、番組制作費の削減を強いられている。アニメも例外にもれず、大物声優の神谷のギャラの折り合いがつかなかった可能性もある。読売テレビ広報部は「(ギャラの問題は)わかりかねる。円満な卒業と受け止めています」とだけ答えた。

 神谷はさらに「ファンの皆さまにはそのご期待を裏切る結果となり、申し訳なさでいっぱいです」と謝罪し、今後は「名探偵コナンの応援団として、支えることができればと思っております」としている。

 この日が誕生日の神谷は、96年の番組開始以来、15年近く毛利役を演じ続けてきた。コナンと並ぶ人気キャラクターだけに、ブログには「続けてほしい」「ドラえもんの声が変わるぐらいショック」などのファンの書き込みが相次いだ。

 読売テレビによると、神谷・小五郎は9月26日の放送が最後。10月31日まで小五郎の出番はないことからこのタイミングになったという。神谷は17日に都内のスタジオで最後の収録を行っている。

 [2009年9月19日9時1分

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