サッカー元日本代表MF中田英寿氏(33)が、6月19日のW杯南アフリカ大会1次リーグ、オランダ戦(ダーバン)で06年の引退後から初めて代表戦のテレビ中継に出演することが26日、分かった。中田氏はテレビ朝日が地上波独占生中継を行う同戦の「スペシャルゲスト」として招かれ、現地スタジアムに設置された同局のブースからピッチで戦う日本代表に熱視線を送る。W杯3大会連続出場で日本のエースとして君臨してきた同氏のコメントが注目される。

 日本のエースだった中田氏が、4年間の国内外での旅をへて、これまで踏み込まなかった日本代表戦、それもW杯に帰ってくる。同氏は、07年12月に日本で行われたクラブW杯で日本テレビの中継に出演し、3位になった浦和に賛辞を贈ったことがあったが、日本代表戦の中継での出演は初めてになる。

 中田氏は現地スタジアムのテレビ朝日の中継ブースに入り、日本代表の戦いを見守る。どういう形で出演するかは調整中だが、中田氏がピッチの外から、今の日本代表の戦いをどう分析し、コメントするかは、視聴者にとっても大きな関心事になりそうだ。さらに、98年フランス大会で中盤を組んだ名波浩氏(37)が解説を務めることも決まっており、ピッチの外での「パス交換」が行われる可能性もある。これも見ものだ。

 中田氏は国際サッカー連盟(FIFA)およびアフリカ親善大使を務めており、W杯が行われる南アフリカを訪問することが決まっていた。それを受けてテレビ朝日から熱烈な出演へのラブコールがあり、現地にいる以上、日本代表の試合を見る可能性も高かったことから快諾した。

 また、中田氏はアフリカ大陸に関心が高く、引退後は10数カ国に足を運んでいる。南アフリカに対しても、代表理事を務める慈善団体「TAKE

 ACTION

 FOUNDATION」の活動収益の一部を用い、約2万個のサッカーボールを贈っている。そんなアフリカ大陸で、かつて自身が中心だった日本代表の戦う姿を見て何を思うのか。1次リーグ突破の大きなカギになる同試合は、中田氏のコメントも含め、見逃せない中継となりそうだ。

 [2010年5月27日6時54分

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