AKB48秋元才加(22)が27日、東京マラソンで、初フルマラソンを見事完走し、同グループのチームKキャプテンに復帰した。昨年10月、週刊誌でマルチクリエイター広井王子氏(57)を自宅に泊めたことを報道されたため、けじめでキャプテンを辞任していた。また、沿道から声援を送っていた宮沢佐江(20)らメンバー3人と、新ユニット、DiVAでデビューすることも決まった。

 泣き虫才加は、うれしくて仕方がなかった。「ゴールにメンバーがいる思いで走ってた。知らない人たちまでが応援してくれて、沿道から流れてきた『会いたかった』には震えちゃった。(前田)敦子とたかみな(高橋みなみ)は、練習着までプレゼントしてくれてました」。苦しい31キロ地点で、梅田彩佳と増田有華に特製ドリンクを手渡されると、もう、泣き顔はクシャクシャだった。

 熱愛を完全否定し、キャプテン辞任でけじめをつけても「あれ以来、メールしても秋元(康)先生から返信も電話もなかったんです…」。今年に入り、テレビ番組へのソロ出演が急増しても、心にトゲは刺さったままだった。「苦手なマラソンで自分を変えたい」と決心。42・195キロを走ってみると、座右の銘「自分に負けるな」を掲げた初挑戦は、自分の底力以上に、周囲からの支えを再認識する道のりだった。

 「正直、ひねくれて、AKBが自分にとって何なのか考えたときもあった。でも、人の温かみや優しさを、素直に感じられるようになりました」。タイムリミット約6分前の6時間53分53秒。長い時間走ると、心のわだかまりは自然と解けた。

 ゴールテープの先には待ち望んでいた秋元康氏からのメールも届いていた。「1歩1歩愚直に進む秋元に感動した。自分で立ち上がり、走りだす。これぞAKB48だ。お帰り。今の君なら皆がついてくる。キャプテンに復帰しろ」。秋元は「きっと私のためを思って無視されているんだと、自分に言い聞かせてました」と漏らし、再び号泣した。

 さらに、この日声援していた宮沢、梅田、増田と、4人でDiVAを結成して、4月27日にCDデビューすることも決まった。迷いの消えた秋元の笑みを、真っ赤な夕日がいつまでも温かく照らしていた。