21日に乳がんのため亡くなった元キャンディーズでスーちゃんの愛称で親しまれた女優の田中好子さん(享年55)の通夜が24日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。伊藤蘭(56)藤村美樹さん(55)も参列し、ラン、スー、ミキの3人が、1978年4月4日のキャンディーズ解散以来初めて公の場でそろった。会見した伊藤は、藤村さんと一緒に田中さんをみとったことを明かした。今日25日には同所で葬儀、告別式が営まれる。
藤村さんが伊藤の腕に手をかけ、2人が葬儀所に姿を見せた。祭壇に向けて手を合わせた後、遺影の田中さんを背に参列者にあいさつ。解散以来、33年ぶりにキャンディーズがそろった瞬間だった。
芸能界を引退した藤村さんの思いも含めて伊藤が、カメラの前に立った。田中さんが亡くなった当日、翌日もショックでコメントできなかったが、この日も田中さんの死が認められないようだった。
「まだ実感がないので。いつもふわっと隣にいてくれたぬくもりがずっと…」。
亡くなった当日、田中さんが危篤との連絡を受け、病院に駆け付けた。「ご主人とご家族のお気遣いで、『家族と一緒だから』ということで呼んでいただいて。スーさんは7時間も頑張ってくれて、最後まで一緒にいられました。私たちはただただ、名前を呼び続けていました」。夫の小達一雄さん(56)ら家族と伊藤、藤村さんが見守る中で、田中さんが旅立ったことを明かした。
田中さんは19年にわたりがんの再発と治療を繰り返したが、伊藤が初めて病気を打ち明けられたのは3年前だった。「最初はショックでした。でも会っている時も前向きに過ごしていたので、逆に励まされました」。だが、亡くなる1カ月前、「ランちゃんとミキちゃんに会いたいので、病室まで来てほしい」と連絡が入った。その後、藤村さんと一緒に3、4回病室を訪れた。「前半の方は話ができましたが、楽しいことしか話しませんでした。帰るのが嫌で」。3人で最後の楽しい時間を過ごそうと、思い出話に花を咲かせた。
田中さん、伊藤、藤村さんは中学時代、東京・奥多摩のキャンプで知り合った。歌が好きという共通点から友情を育み、そろって渡辺プロ東京音楽学院に入学。生徒から選抜され、その後キャンディーズを結成。レコードデビューから4年半で解散したが、友情は続いた。「スーさんは一番年下で甘えん坊だったんですけど、いつの間にか強くて頼もしい大人の女性になっていましたね」。関係者によると、主に伊藤の自宅で年に1回は3人で集まっていたという。
「お話は十分できましたか」と聞かれると、目に涙をためて声を詰まらせた。「……。あともう1回だけ、3人で会いたかった。ずっと一緒にそばで年を重ねていきたかったです」。苦楽を共にした家族のような親友の早過ぎる死。伊藤は無念さに唇をかみしめた。




