反原発発言で注目の俳優山本太郎(36)が出演するブロードウェー・ミュージカル「太平洋序曲」(17日~7月3日)の公開げいこが16日、横浜市の神奈川芸術劇場で行われた。

 山本は黒船来航の危機を日本に伝えるため、死の危険を顧みず帰国したジョン万次郎役。最初にふんどし姿で大太鼓をたたいたのをはじめ、歌い、踊り、万次郎役以外にも士官役など何役も演じ、八嶋智人との激しい立ち回りにも汗をかいた。山本は「毎ステージ、毎ステージ、真剣勝負で臨みます」と舞台にかける思いを口にした。

 山本は反原発発言を繰り返していたが、5月25日にツイッターで反原発発言が原因でドラマを降板になったとつぶやいてネット上で騒ぎとなり、同29日に「迷惑をかける」と事務所を退社した。今月11日には全国規模の反原発デモにツイッターで参加を呼びかけ、けいこ前に横浜市のデモに参加。「フリーで俳優やってます山本太郎です」と自己紹介し「原発は、この国には合いません。1人1人の力は本当に小さいけれど、みんなで声をあげていけば変えていける」と訴えた。

 そんな山本の反原発の思いが演出の宮本亜門氏を動かした。戦後の歴史を振り返る最後の場面で、宮本氏は「2011年、福島第1原発で事故。レベル7になった」のセリフを付け加えた。一部に山本を次期総選挙で反原発候補として擁立する動きもあるという。山本は「今日が最後かも、今日が最後かもと思って」と毎日舞台に立つことを明かした上で「引退するわけじゃありませんよ」とコメントしている。