武田鉄矢(62)浅野温子(50)主演の博多座公演「時代劇版・101回目のプロポーズ」(3月2~28日)のけいこ場取材会が24日、都内で行われた。91年にフジテレビ系で放送され、最終回は36・7%の高視聴率を記録した同名ドラマの初舞台化。時代設定を江戸時代に移して描き、テレビ同様に武田と浅野のコンビが21年ぶりに実現した。

 昨年10月に大動脈弁の置換手術を受け、今回が復帰舞台となる武田は「毎朝散歩している。以前より馬力はなくなっているけれど、なんとかなるでしょう」。浅野は「いまだに作品を愛してくれている人の思いを崩さないで舞台化するのが一番。見る人が安心して『101回』に会える舞台にしたい」。実はドラマ終了後の20年間、2人は会っていなかった。浅野は「2人とも前より丸くなったし、時間の距離感がないから楽。相性のいい人なんだなと思うし、私の宝です」。武田も「アンチエイジングではなく、エイジングのパワーを感じる女優。年齢を敵に回さず、使い込んだジーンズの手触りを感じます」と浅野の印象を語った。

 ドラマで武田演じる達郎がトラックの前に飛び出して「僕は死にません。あなたが好きだから」という名せりふは舞台でも再現される。武田は「『SAY

 YES』が流れる中で『せっしゃは死にません』と言うと、共演者も『あれがこれか』と思いながら見てくれる。蜷川幸雄さん演出『近松心中物語』で森進一さんの歌が流れる場面があるけど、蜷川さんに負けるもんか。目線を高めにトライしたい」。東京での公演も目指している。

 ◆「101回目のプロポーズ」

 99回見合いして失敗した万年係長の達郎(武田)はチェリストの薫(浅野)と見合いをする。結婚式直前に事故死した恋人を忘れられない薫に達郎は思いを募らせ、再び恋人を失うことが怖いと告白する薫の目前で、達郎はトラックの前に飛び出す。中韓でもドラマ化された。舞台版は江戸時代の熊本を舞台に、まかない役の達郎左衛門(武田)が行き倒れの薫(浅野)を助ける。秘密を抱える薫に好意を抱き、彼女のため命をかけた戦いを挑む。