越路吹雪「愛の讃歌」や加山雄三「君といつまでも」など数多くのヒット曲を手掛けた作詞家の岩谷時子(いわたに・ときこ)さん(本名トキ子)が25日午後3時10分、肺炎のため、都内の病院で亡くなった。97歳だった。

 ◆「君といつまでも」などを歌った加山雄三(76)

 僕の作品のほぼ全てと言っていいほど作詞をしてくださいました。偉大な方で、僕は何も伝えていないのに思い描いた以上の言葉を詞にしてくださいました。岩谷さんにお会いしていなかったら、今の僕はない。心から感謝とご冥福をお祈りいたします。

 ◆松任谷由実(59)

 岩谷さんの詞はいつだって私にとって大切な道しるべでした。これからも、どうか私だけでなくこの国で作詞を志す人たちを遠い空から、すぐ隣から見守っていてください。安らかにお休みください。

 ◆「ピンキーとキラーズ」として「恋の季節」を歌った歌手今陽子(61)

 当時16歳の私に、こんな大人の歌詞を書いていただいたことがとても光栄でした。岩谷先生の世界の魅力は、女心を強烈に表した言葉と、そこに品とエレガンスがあるところです。スタジオでお会いするといつも年齢不詳で、でも、とても上品な方でした。

 ◆劇団四季代表浅利慶太氏(80)

 子どもたちのためのミュージカルから海外作品まで、数多くの舞台で、素晴らしい言葉を紡いでいただきました。越路さんのマネジャーとしても、彼女を昭和を代表する歌手に育て上げられたことを忘れられません。

 ◆岩谷さん訳詞のミュージカル「ミスサイゴン」に出演した俳優市村正親(64)

 「お時さん」って呼ぶと見せてくださった、はにかんだ笑顔は僕の宝物。長い間仕事をご一緒できて幸せでした。「コーちゃん(越路吹雪)」と、天国で新しい歌を作ってください。僕はお時さんからいただいたたくさんのミュージカルの詞を、しっかり歌っていきます。合掌。