<連載「気になリスト」(51)>

 明石家さんま?

 いえ、お笑い芸人のほいけんた(48)です。近頃、ものまね番組や、さんまになりきって再現VTRなどにも登場している。

 「最近、さんまさんが渋い顔するんです。『またコイツか~』って。リアルすぎるんでしょうかね」と苦笑いだ。さんまの娘IMALUにも「似てますね」と言われたという。このままフリートークもできるのだから、もはや、ものまねの域を超えている。イベントに出ると、さんま目撃情報がツイートされる。きっかけは20年前。まったく別のネタで出っ歯を付けた時、さんまに似ていることに気付いたという。

 「以前は『ほいけんた』を幹にしていろんな枝があったんですが、最近はさんまさんの方が幹っぽくなってきました。テレビもラジオもさんまさんの出演番組はすべて見て、聞いているので、さんまさんがしゃべりそうなこともだいたい予想できるようになりましたが、さんまさんの脳みそをコピーしたいです」

 芸名は、大好きな香港映画「Mr.BOO!

 ミスター・ブー」で知られるスター、マイケル・ホイから取った。17歳の時にアクションスターを目指して芸能界入りしたくらいだ。トレーニングを積んだが、根っからの目立ちたがり屋の虫がうずいてしまった。「どんなに動けても、芝居ができないと影武者にしかなれない…」と、芝居中心の役者を目指し、劇団ひまわりに入った。映画にも出たが、また目立ちたがり屋の虫が顔を出したという。「勝手に演出したり、とんでもない自己主張をしていました。監督には『何余計なことやってるんだ』って怒られてました」。

 かっこいい、やってみたいと思ったら、独学でとことん突き詰めるタイプ。マジック、パントマイム、バルーンアートなどのパフォーマンスでは海外公演もした。イリュージョニスト引田天功のアシスタントとして、ミュージカル出演の経験もある。今後は、ほいけんたの名前を覚えてもらうことが目標で、「営業では20~25人のものまねをします。ネタは100超えてます」とも言った。48歳と遅咲きだが、いろんな引き出しを生かし、老若男女を笑わせる意欲に満ちている。【小林千穂】

 ◆ほいけんた

 本名・塩田謙一。1965年(昭40)7月7日、東京生まれ。17歳でアクションチームに入り、その後、役者として活動。86年公開の武田鉄矢主演映画「青春グラフィティ

 Ronin

 坂本龍馬」には8役で出演。ものまねレパートリーはほかに、クリス・ペプラー、SMAP草なぎ剛など多数。バルーンアートの著書もある。182センチ、74キロ。血液型O。家族は妻。※なぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀