NHKは7月31日、来年前期の連続テレビ小説「まれ」(来年3月30日スタート)のヒロインに女優土屋太鳳(19)が決まったと発表した。土屋の朝ドラ出演は「おひさま」「花子とアン」に続く3作目。東京・渋谷の同局で行われた会見で喜びと抱負を語った。

 「すごーい」。会見場に集まった100人近い取材陣を見て声を上げた。「今(会見場に)出てきただけでも感動しちゃってます」と初々しい言葉を続けた。

 「花子とアン」では吉高由里子(26)演じるヒロイン花子の妹ももを演じている。3作目の朝ドラでヒロインを射止めた。高橋練チーフプロデューサーから「ホップ、ステップ、大ジャンプ」と言われると「『てっ』ですね」と「花子とアン」に登場する方言で驚きと喜びを表現した。

 NHKによると、オーディションには2020人の応募があった。前日30日にヒロインに決まったことを知らされたという。「わ~っという感じでした。本当に涙が止まらなくて」。最終審査では「終わっても会場から出たくなくて、最後に『チャンスをください』と言ってしまいました」。強烈なアピールを受けた高橋チーフプロデューサーは「オーディションでも『いつかヒロインを演じるのが夢』と語るストレートさ、帰り際に『チャンスを』と言われてそれにやられた」と熱意に心を動かされたことを明かした。

 デビュー以来、ブレークを予感させる活躍を続けてきた。端正な顔立ちと感情表現の豊かさ、透明感などが印象的で、演技力も評価されてきた。朝ドラ3作目に加え、ドラマデビューはNHK大河ドラマ「龍馬伝」で、NHKBSプレミアム「真夜中のパン屋さん」にも出演するなど、同局とも縁が深い。「花子とアン」で共演する吉高からは「涙が止まらないよ」と言って祝福されたという。

 「まれ」放送スタート前に20歳になる。「撮影はチームワーク。チームの一員として作品を作ることに集中したい。ヒロインと一緒に成長したい」。収録は今年秋からスタートする。

 ◆土屋太鳳(つちや・たお)1995年(平7)2月3日、東京都生まれ。05年スーパー・ヒロイン・オーディション・ミス・フェニックスで審査員特別賞。08年映画「トウキョウソナタ」で女優デビュー。10年NHK大河ドラマ「龍馬伝」でドラマ初出演。その後も同局連続テレビ小説「おひさま」「花子とアン」や同局「真夜中のパン屋さん」に出演。趣味は映画観賞と読書。特技は3歳から習う日本舞踊やクラシックバレエ。憧れている人はエンヤ、ジョニー・デップ、香川照之、蒼井優。血液型O。155センチ。

 ◆「まれ」

 父が破産寸前となり、家族と夜逃げのように石川・能登に移住した津村希(まれ)の成長を描く。夢ばかりを追う父を反面教師に、地道にコツコツをモットーに生きる。高校卒業後、市役所に勤務するが、夢を見つけ、パティシエの修業に励み、菓子作りの才能を開花させる。