来年4月に入社予定のアナウンサー内定を取り消された東洋英和女学院大4年生の笹崎里菜さん(22)が、日本テレビを相手に起こした「地位確認請求」訴訟の第1回口頭弁論が14日、東京地裁で行われた。日本テレビ側の代理人は出席しなかったが、請求棄却を求めて争う姿勢を示した。

 56の傍聴席が埋まり、午前11時に開廷した。だが、日本テレビ側代理人(弁護士)の姿はなかった。笹崎さんも不在で、裁判長はすぐに笹崎さんの代理人、緒方延泰弁護士に次回期日を発表した。「1月15日。被告から、12月15日までには実質主張の書面を提出したいと通知がありました」。

 一方で緒方弁護士は「12月に被告代理人の予定が入り、1月になったと聞いた。なるべく早く」と要望した。「内密に事前折衝をしたが、裁判所が内定を認める仮処分を決定しても、日本テレビさんが従わない意向を示したので、やむなく本訴した」。その上で「来年4月までに結論を」と笹崎さんの来春入社に向けて早期解決を主張し、約5分で閉廷した。

 緒方弁護士によると、11年ミス東洋英和女学院の笹崎さんは昨年9月、同局のアナウンサーセミナーに参加。就職活動しないことを条件に「採用内定通知」を受けた。だが、今年3月、内定者研修で同局の人事担当者から、誤解される男性との写真の有無を問われ、「クラブでホステスのアルバイトをしたことがある」と申告。客と店員の集合写真があることも認めた。そして、5月に「アナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない。セミナーで提出した自己紹介シートにクラブでのバイト歴を記載しておらず、虚偽の申告だ」と内定取り消し通知を受けたと主張している。

 対して日本テレビ側は、笹崎さん側と争う姿勢を示した。次回以降に具体的な反論をするとし、同局広報IRは「当社の主張は裁判を通じて明らかにさせていただきます」とした。閉廷後、緒方弁護士は小型カメラを持つ日本テレビ関係者も含めた取材陣に対応。「(期日延期は)引き延ばしかどうかは分からない。ホステスが清廉かどうかは好みの問題。間違いを撤回してほしい」と訴えた。笹崎さんは「いい結果が出ることを祈っています。お騒がせして恐縮しています」と話しているという。