今年の大みそかのNHK紅白歌合戦で、紅組は松田聖子(52)が、白組は嵐がそれぞれトリに内定したことが7日、分かった。ともにトリは初めて。聖子が、全出場者の最終歌唱となる大トリを務めることも内定した。同局は、幅広い世代に絶大な人気を持つ両者によるトリ対決で、高視聴率獲得を狙う。

 今年の紅白のラストで、時代を超えたスーパーアイドル対決が実現する。

 聖子はデビューした80年に初出場を果たし、先月末に通算18回目の出場が発表されたばかり。ヒット曲を多数持つ国民的歌手だが、これまでは番組序盤から中盤にかけた出演が多く、トリを務めるのは意外にも今回が初めて。

 4月にデビュー35周年を迎えた。メモリアルイヤーに突入し、精力的な活動を続けている。全国ツアーを行い、東京・日本武道館での公演回数は、自身が持つ女性歌手の最多記録を102回に更新した。

 大トリ起用の決め手の1つになったのが、今年のNHK音楽番組「SONGS」だった。聖子は5月に同番組の300回記念放送回に出演。30分ノンストップのスペシャルメドレーを披露して話題を呼んだ。平均視聴率4・1%は、最近の同番組の中で高視聴率だった。同局関係者は「30分ノンストップメドレーは、数字以上に大きな反響があった。中高年層を確実に取り込む力がある。80年代から今もトップアイドルとして走り続ける大御所アイドルでもある。全出場者の最終歌唱を務める大役に申し分がない」としている。

 一方、国民的人気グループに成長した嵐も、人気、実績を高く評価され、初の白組トリに抜てきされた。初出場は09年。2回目の出場を決めた10年から、5年連続で白組司会を務めてきた。5年連続の司会は、アナウンサー以外では最多記録。好感度も高く、世代を超えた圧倒的な人気が、視聴率でも大きく貢献してきた。

 嵐も今年、CDデビュー15周年を迎えた。今年発表したシングル3枚の売り上げは全て50万枚を突破。10月に発売したオリジナルアルバムは、発売初週で66万枚を売り上げる大ヒット。CD不況といわれる時代に驚異的なセールスを記録し続けている。毎年開催している全国ドームツアーは、関係者でも手に入らないプラチナチケットとなるなど絶大な人気を維持し続けている。同局関係者は「絶大な人気はもちろんですが、今年は白組司会5年目の節目ということも大きい」としている。

 聖子と嵐は昨年、紅白で対決を果たしている。それぞれ終盤の24組目に登場して番組を盛り上げた。同局は今年、両者の対決の場を番組最後に移し、高視聴率獲得を狙いたいという判断をしたようだ。