歌舞伎俳優市川海老蔵(36)が、7日公開の主演映画「利休にたずねよ」(田中光敏監督)初日舞台あいさつを欠席し、それを受け東映配給の映画として四半世紀ぶりに初日舞台あいさつ自体が行われないことが5日、分かった。休養中の坂東三津五郎(57)代役として、東京・歌舞伎座で開演中の「十二月大歌舞伎」出演中の海老蔵は、ビデオレターを制作し初日欠席をわびた。映像は全国301の公開館で、各4回程度上映される本編の前に流すため、海老蔵が1日あたりのべ1200回もおわびする異例の事態となる。
東映は撮影前の昨年6月当初、13年11月23日の公開を予定したが、ライバル会社・松竹の看板俳優の主演映画は、正月映画として華々しく公開するのが礼儀という判断から公開日を遅らせた。その後、三津五郎が膵臓(すいぞう)がん手術を受け「十二月大歌舞伎」の高師直役の代役として海老蔵に白羽の矢が立った。
海老蔵は三津五郎を「お兄さん」と呼んで慕い、8月26日のブログには「神様にお兄さんがお元気になってもらいたいと懇願」と、早朝からお参りしたとつづった。もともと歌舞伎の稽古には一切妥協を許さない上、三津五郎の代役に専念したいという思いから東映に初日の欠席を願い出た。
共演中谷美紀(37)も神奈川芸術劇場で開演中の三谷幸喜氏の舞台「ロスト・イン・ヨンカーズ」に出演中で登壇が難しく、東映は初日舞台あいさつ自体をなくした。90年以降、配給の邦画については必ず初日舞台あいさつを行う方針を貫いてきたが、その歴史にピリオドが打たれた。
海老蔵は精いっぱいの誠意として、東映史上初の初日あいさつ用ビデオレターで欠席をわびた。
「本来であれば初日舞台あいさつで、この良き日を、この喜びを皆さまとともに味わいたいというところでございましたが申し訳ございません」
今日6日、36歳の誕生日を迎えた海老蔵のおわびは、劇場でしか見られない“秘蔵映像”となる。




